小川珈琲|業務用オンラインショップ

【アイスコーヒーの新常識】業務用なら「水出し」が正解!味の差別化と高付加価値を実現する、導入成功のポイント

「水出しコーヒー」が夏の新たな定番に!今さら聞けない基本と導入のメリット」では水出しコーヒーの概要を、「「水出しコーヒーパック」が飲食店の救世主!誰でも作れる本格派の味で、人手不足と品質管理の悩みを一挙解決(リンクつける)」ではパックによる手軽さをご紹介してきました。
しかし、水出しコーヒーの真価は、他のアイスコーヒーでは決して真似できない「味わいの優位性」にこそあります。本記事では、淹れ方の違いに基づいた水出しコーヒーの味の特徴とそれを生かしたアイデアについてご紹介します。

急冷式アイスコーヒーと水出しコーヒーには淹れ方が異なることによる大きな味の違いがあります。お湯で淹れて冷やす急冷式アイスコーヒーの魅力が「ガツンとくる苦味と香ばしさ」なら、水出しコーヒーの魅力は「際立つ甘みと、驚くほどまろやかな口当たり」です。

この違いは、味覚の科学に基づいています。低温で長時間かけて抽出することで、コーヒー豆のポジティブなフレーバーだけを丁寧に引き出し、苦味や雑味の原因となるカフェイン※1やタンニン※2といった成分の過抽出を抑制※3します。特に、高品質な豆が持つフルーティーな酸味(エチオピア産など)や、ナッツのような香ばしさ(ブラジル産など)、チョコレートを思わせる甘みが、水出しにすることでありのままに、しかし角の取れた優しい形でクリアに現れます。それはまるで、高級な玉露が持つような、甘く、丸みのある、奥深い味わいです。この上質でクリーンな味わいが、一口飲んだ瞬間に違いを伝え、お客様に「ここのお店は、飲み物一本にも手を抜かない本物だ」と感じさせる強い説得力を与えるのです。この感動的な体験こそが、「またあのコーヒーを飲みに来たい」という再来店の強力な動機となります。

「コールドブリュー」という言葉には、「時間をかけて丁寧に作られた特別なもの」というイメージが、市場に広く定着しています。現代の消費者は、単にモノを消費するだけでなく、その背景にあるストーリーや作り手のこだわりといった「体験価値」を重視します。そのため、水出しコーヒーは「+100円」や「+150円」の価値をお客様自身が直感的に感じ取りやすく、納得感の高い価格設定(バリュープライシング)が可能なのです。

また、水出しコーヒーは酸化のスピードが非常に緩やかで、味が劣化しにくい※4という大きな特徴があります。これは、コンディションの良い状態でお客様に提供できることを意味し、お店の信頼性を高める上で非常に重要なポイントです。急冷式で起こりがちな「淹れてから時間が経って酸っぱくなった」というようなネガティブな体験をお客様に与えるリスクがありません。いつ注文してもブレない美味しい味を提供できるという「品質の安定」は、顧客満足度の安定に他なりません。この「安心感」と「特別感」こそが、価格以上の価値をお客様に感じさせ、高い満足度を生み出す源泉なのです。

水出しコーヒーの導入を成功させ、売上に繋げるためには、戦略的なアプローチが不可欠です。

豆の品質で選ぶ(選び方):味の基盤は豆の品質です。信頼できるサプライヤーから、水出しに適した焙煎・ブレンドの豆(またはパック)を選びましょう。「安かろう悪かろう」は、お店の評判を長期的に損なうだけです。必ず試飲やサンプルで、自店の料理やスイーツに合う理想の味を追求することが、成功への揺るぎない第一歩です。

特別感を演出する(見せ方):ただメニューに「水出しコーヒー」と書くだけでは不十分です。透明なガラスサーバーに入れて美しい琥珀色を視覚的にアピールしたり、厚みのあるお洒落なグラスで提供したりと、「見た目」での演出が重要です。「8時間かけてじっくり抽出しました」といった手書きのPOPや、豆の産地情報などを添えることで、お客様の期待感を高め、体験価値を向上させます。

価値を伝える(提供方法):フードメニューとのペアリングを「店長のおすすめセット」として提案したり、ミルクやシロップで割ったアレンジメニューを用意したりすることで、お客様はより深くその価値を体験できます。「このチーズケーキの濃厚な味わいには、後味スッキリの水出しコーヒーが驚くほど合いますよ」といった、スタッフからの一言が、お客様の単価と満足度を同時に引き上げる魔法の言葉になります。

【小川珈琲こだわりの豆/粉はこちら】
アイスコーヒーに合わせた異なるブレンドの珈琲を4種類ご用意。
世界のコーヒー産地へ足を運び、熟練の職人が厳しい眼で品質を吟味した豆を使用、それぞれ異なる特徴を持ち、違った味わいを提供することができます。

水出しコーヒーのクリアな味わいは、アレンジの可能性を無限に広げます。お店の客層やコンセプトに合わせて、オリジナルの看板メニューを開発しましょう。

コールドブリュー・トニック:若い世代に特に人気。トニックウォーターの爽やかな苦味と炭酸が、水出しコーヒーの甘みと香りを引き立て、見た目も涼しげなノンアルコールカクテルが完成します。ライムやミント、ローズマリーなどを添えればさらに本格的に仕上がります。

濃厚カフェオレ(ベースとして):ミルクで割ってもコーヒーの風味が負けないため、リッチでコクのある本格的なカフェオレが作れます。健康志向の女性向けに、オーツミルクやアーモンドミルク、豆乳で割るオプションを用意すれば、客層をさらに広げることができます。

アフォガート風デザート:濃いめに抽出した水出しコーヒーを、バニラアイスにかけるだけ。熱いエスプレッソとは違う、苦味が少なく優しい甘さのアフォガートは、コーヒーが苦手な方やお子様にも喜ばれる、新たな定番デザートになり得るポテンシャルを秘めています。

コーヒーゼリー:水出しコーヒーで作るコーヒーゼリーは、雑味がなく、豆本来の風味をダイレクトに楽しめる逸品になります。生クリームを添えるだけで、シンプルながらも非常に贅沢なデザートとして提供できます。

ここまで、水出しアイスコーヒーがもたらす「味の優位性」と「ブランド構築」への可能性を解説してきました。それは、単なる美味しいドリンクではなく、お客様に「この店を選んでよかった」と感じていただくための、強力なコミュニケーションツールです。その実現には、もちろんベースとなるコーヒーの品質が最も重要になります。

小川珈琲のコーヒーは、コーヒーの味わいに厳しい京都の地で職人たちが追い求める「調和」の哲学を、一杯に凝縮しています。熟練の職人が、世界中の産地から選び抜いた豆の個性をテイスティングで見極め、その香り、甘み、酸味、苦みが見事に調和するよう、絶妙なバランスでブレンド・焙煎しています。

この一杯は、お客様に素敵な味覚体験を提供するだけでなく、お店の「食」や「環境」に対する真摯な姿勢をも静かに物語ります。「手軽さ」と「本物の物語」を両立させたコーヒーを導入することで、お客様の満足度を高め、お店のブランド価値を確固たるものにする。京都が育んだこだわりの一杯で、お客様との間に、より深く、確かな絆を築きましょう。




【京都の珈琲職人が選び抜いた豆/粉はこちら】
アイスコーヒーに合わせた異なるブレンドの珈琲を3種類ご用意。
それぞれ特徴が違うので、タイミング、料理などベストマッチの珈琲をお選びいただけます。

備考

※1 苦みとカフェインの関連性
  Rachel L Poole, PhD, and Michael G Tordoff, PhD.The Taste of Caffeine.JOURNAL OF CAFFEINE RESEARCH.2017.Vol7.Num2  参考リンク

※2 渋みとタンニンの関連性
  Praveen Kumar Ashok, Kumud Upadhyaya.Tannins are Astringent.Journal of Pharmacognosy and Phytochemistry.2012.Vol1.3  参考リンク

※3 水出しコーヒー(低温抽出)の酸化の緩やかさ、味の劣化のしにくさ
※4 水出しコーヒー(低温抽出)でのカフェイン・タンニンの抽出の抑制
  Brian G Yust, Frank Wilkinson, Niny Z Rao.Variables Affecting the Extraction of Antioxidants in Cold and Hot Brew Coffee.MDPI Antioxidants.2024.13.29  参考リンク