エシカル・オーガニック コーヒーについて
一杯のコーヒーからできること
小川珈琲はおいしいコーヒーの未来のために、
地球の自然環境を守る活動や、持続可能な社会を保つ活動にも目を向けております。
また私たちは、「お客様においしいコーヒーを提供し続ける」使命のため、
SDGs(Sustainable Development Goals: 持続可能な開発目標)に賛同し、
これからも、「一杯のコーヒーからできること」として、
ここ京都を中心に全国・世界へと活動を広げ、継続して取り組んでまいります。
FAIRTRADE「国際フェアトレード認証コーヒー」
コーヒー生産地との「公平な貿易」
コーヒーの生産国のほとんどは、いわゆる開発途上国といわれる国々です。 コーヒー豆の価格は、国際市場で決められます。遠く離れたマーケット動向を知ることが出来ず、業者との交渉の手だても持っていない立場の弱い生産者は、時として生産コストを下回る価格で売らざるを得ない状況に追い込まれてしまうことも。その結果、生産や生活に必要な利益を得られず、不安定な生活を余儀なくされている場合があります。
そんな状況を防ぐために、開発途上国の農産物や製品などを、単に市場価格で買い付けるのではなく、農家の生活が成り立つように考慮したフェア(公正)な価格で輸入・消費する貿易のしくみがフェアトレードです。「小川珈琲」は、2003年に国際フェアトレード認証ラベル商品の製造ライセンスを取得。2004年から国際フェアトレード認証コーヒーの販売を始めました。
また、世界フェアトレード・デー(5月の第2土曜)にちなんで毎年5月をフェアトレード月間とし、小川珈琲直営店にて特別メニューの提供や国際フェアトレード認証コーヒーの販売も行っています。商品を購入することで産地の生産環境や生活環境の向上につながるフェアトレード。珈琲作りのパートナーたちの暮らしを守るために。「小川珈琲」はこれからもこの取り組みに、より一層励んでまいります。
BIRDFRIENDLY®「バードフレンドリー®認証コーヒー」
渡り鳥が休息する森を守るプログラム
1990年代後半、専門家によって北米と中南米を行き来する渡り鳥の数が減っていることが確認されました。こうした事態を受け、アメリカワシントンD.C.にある世界最大の学術研究機関であるスミソニアン協会が「スミソニアン渡り鳥センター(SMBC)」を設立。以来、同施設が渡り鳥の調査研究と保護に取り組んできましたが、その研究によって渡り鳥の生息にコーヒー農園が関係していることが明らかになりました。
伝統的なコーヒー栽培はシェードグロウン(木陰栽培)と呼ばれる自然林に近い環境で行われ、渡り鳥はその森林を休息場所とし、そこに生息する昆虫などを餌としてきました。しかし、近年になって低コスト化を図るため森林を切り開き、収穫を機械で行うコーヒー農園が増え自然環境が失われたことによって、渡り鳥が減少していることがわかったのです。そこで、スミソニアン渡り鳥センターは自然の森林に近い環境の農園を維持するために、1999年に認証基準を設定。認証を受けた農園のコーヒー豆をプレミアム価格で買い取ることで、生産農家を支援しながら渡り鳥を守るバードフレンドリー®認証プログラムを創設しました。
この活動に共感した「小川珈琲」は、2005年に日本で初めて「バードフレンドリー®認証コーヒー」の販売をスタート。森の中でゆっくりと育つコーヒー豆は品質も良く、防風や直射日光の緩和効果があるシェードグロウンによる持続可能な農園づくりにも役立っています。その味わいを通して自然環境の大切さをお客さまに伝えていきたいと考えています。
ORGANIC JAS「有機JAS認証コーヒー」
環境にやさしい有機栽培の促進
有機コーヒーは、化学的に合成された農薬や肥料、遺伝子組換えなどに頼らず、自然の力を精一杯活かして育てられています。土壌など環境への負担が軽減させる、農園で働く生産者にもやさしい農業の方法です。ルールに基づいてきちんと生産されているかどうか、農園や製造工場などで登録認証機関による検査が毎年行われています。こうして厳しい基準をクリアした食品だけに「有機JASマーク」の表示が認められています。小川珈琲では2001年に京都工場で有機JAS認証を取得。美味しいコーヒーを皆様にお届けするために、有機コーヒーの販売を通して、持続可能なコーヒー栽培の環境づくりにも取り組んでいます。
ORANG UTAN COFFEE「オランウータンコーヒー」
コーヒーのプロとつくる「森の人」とヒトのコーヒー
アジアで最大規模の低地熱帯雨林を有し、世界で最も生物多様性を持つ国といわれているインドネシア。しかし、森林火災や違法伐採などによって年々、熱帯雨林が減少。それに伴い熱帯雨林を住処とするスマトラオランウータン・タパヌリオランウータンの数も減少し、今や絶滅危惧種に指定されています。そんな危機的状況を救うべく、オランウータンの保全活動(S.O.C.P=Sumatran Orangutan Conservation Programme)を行っているのが、非営利団体「PanEco(パン エコ)」。熱帯雨林を必要とするオランウータンを守ることは、生物の多様性を守ることにもつながる。そんな考えのもと活動を続ける彼らに共感し、世界的に有名なロースター、バリスタ、カッパー、コーヒーマシンメーカーといったプロフェッショナルたちが賛同し、本プロジェクトはスタートしました。
オランウータンコーヒープロジェクトの目的は、多くの人々を魅了する高品質なコーヒーの生産を通して、オランウータンが生息する自然環境の保護や、現地のコーヒー生産者の生活を豊かにしていくこと。同プロジェクトでは生産地の環境整備をサポートするだけでなく、保護活動団体「PanEco」と生産者に生豆の売り上げから寄付を行い、還元することでオランウータンと環境を守る活動を支援しています。こうした特徴を持つオランウータンコーヒーの生産地は、スマトラ島のアチェ州ガヨ地区。ガヨマウンテン、マンデリン、トラジャなど特定銘柄の生産地としても知られる場所です。オランウータンプロジェクトでは、その活動の一環として現地に抽出器具などの設備を備えた「オランウータンコーヒーラボ」も開設。栽培から最適な抽出までを検証することで、生産者とともにコーヒーの品質向上にも尽力しています。
小川珈琲では、2017年にアジアで初めてオランウータンコーヒーの発売をスタート。「インドネシア スマトラ オランウータンコーヒー」の名で、「一杯のコーヒーからできること」をかたちにすることにしました。オランウータン、コーヒー生産者、コーヒーを愛する人たち、そして何よりも地球のために。オランウータンコーヒーには、たくさんの人のそんな思いが詰まっています。