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業務用ドリップコーヒーの質を高める秘訣|お客様を魅了する一杯の淹れ方と豆選び

お客様の記憶に深く刻まれる一杯は、お店の価値を大きく高めます。数ある抽出方法の中でも、丁寧な手仕事が光る「ハンドドリップ」は、他店との差別化を図り、お店のこだわりを伝える強力な武器となります。本記事では、その魅力と他の抽出方法との違い、美味しい淹れ方のコツから豆選びまでを解説。貴店のコーヒーを特別な一杯に変えるためのヒントをご紹介します。

飲食店で提供されるコーヒーには、様々な抽出方法があります。効率化やスピードが重視される現代において、一杯ずつ丁寧に淹れるハンドドリップは、一見すると非効率に思えるかもしれません。しかし、ハンドドリップには効率を上回る独自の価値があり、顧客を惹きつける魅力にあふれているのです。ハンドドリップ(ペーパードリップ)の特徴や価値を見ていきましょう。

味わいの特徴:フィルターで濾過されることで、コーヒーオイルが適度に除去され、豆本来の繊細な酸味や香り、甘みが際立つクリーンな味わいになります。スペシャルティコーヒーなど、豆の個性をストレートに表現するのに適した方法の一つです。

提供価値:スタッフがお客様のためだけに心を込めて淹れる、という一連の所作が「丁寧さ」や「特別感」を演出します。この「体験」こそが、コーヒー一杯以上の付加価値を生み出します。

ハンドドリップは「コーヒー豆の個性を豊かに引き出し、丁寧な手仕事による特別感を提供する」という点で、独自のポジションを確立しています。あえてハンドドリップにこだわる姿勢は、お店の品質へのこだわりを示すメッセージとなり、お客様の信頼と満足に繋がるのです。

安定して美味しいドリップコーヒーを提供するためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。そのためにまず揃えるべきは、プロ仕様のハンドドリップ器具です。その上で、基本となる4つの要素と手順を確認し、お店のレシピとして確立させましょう。

美味しいコーヒーを淹れるための4つの重要な要素

美味しいコーヒーを淹れるための重要な要素は、「豆の量」「挽き目」「湯温」「抽出時間」の4つです。これらを毎回同じ条件に整えることが、品質安定化の第一歩です。

豆の量:提供する杯数に対して、常に正確な量の豆を計量します。感覚に頼らず、必ず0.1g単位で計れるスケール(はかり)を使いましょう。一般的に、コーヒー1杯(150ml)あたり10〜12gの豆が目安です。

挽き目: 豆の挽き目は、コーヒーの味わいを左右する重要な要素です。一般的にペーパードリップでは抽出時間と味の関係から「中挽き」が推奨されます。

湯温:沸騰したてのお湯(100℃)では、雑味が出やすくなります。少し落ち着かせた90℃~95℃前後が、コーヒーの美味しい成分をバランス良く引き出せる適温です。

抽出時間:蒸らしの時間も含め、抽出完了までの時間を毎回揃えます。タイマーを活用し、例えば「蒸らし30秒、抽出全体で2分30秒」というように、お店独自のレシピを確立することが重要です。

これらの要素を正確にコントロールし、毎回同じ手順で抽出を行うことが、プロフェッショナルなコーヒー提供の基本となります。

ハンドドリップの基本的な淹れ方

【美味しい一杯を淹れる、基本のハンドドリップ手順】
ここでは、ペーパードリップで美味しいコーヒーを淹れるための基本的な手順を、1〜2杯分を目安に詳しくご紹介します。一つひとつの工程に、美味しさを引き出すための大切な意味が込められています。

  1. 準備:器具とコーヒー粉を整える
    まず、ペーパーフィルターの側面と底部の接着部分を互い違いに折り、ドリッパーに隙間なくセットします。
    次に、重要な工程が「ペーパーリンス」です。フィルターの上から、ドリッパー全体を温めるようにお湯を回しかけます。これには、①紙の匂いを取り除く、②ドリッパーを温める、③フィルターを器具に密着させるという3つの大切な役割があります。サーバーに落ちたお湯は、内部に残った紙の匂いごと洗い流すように捨てましょう。
    準備が整ったら、ペーパーフィルター用に挽いたコーヒー粉25gを計量し、フィルターに入れます。ドリッパーを軽くゆすり、粉の表面が平らになるよう均一に整えます。
  2. 蒸らし:コーヒーの風味を豊かに引き出す
    いよいよ抽出です。91〜92℃に調整したお湯を使い、まずはコーヒーの成分を引き出す準備となる「蒸らし」を行います。
    粉の中心から外側へ「の」の字を描くように、全体が湿る程度に優しくお湯を注ぎます。このとき、新鮮な豆ほど炭酸ガスが多く発生するため、粉の膨らみ具合を見ながらお湯の量を調整するのがポイントです(ガスが少なければ30g、多ければ50g程度が目安)。そのまま30秒ほど待ちましょう。
  3. 抽出:お湯の注ぎ方で味わいをコントロール
    蒸らしが終わったら、数回に分けてお湯を注いでいきます。
    1投目は、粉を優しくほぐすように、中央から小さな円を2〜3周描きます。ドリッパー内でお湯の対流が生まれ、コーヒーの成分が効率よくお湯に溶け出していきます。
    2投目以降は、ポットを少し高い位置から勢いよく注ぎ、ドリッパーの縁の粉に直接かからないように大きく円を描きましょう。このとき、お湯を注ぎ終えた時の水位を毎回同じ高さに保つことが、安定した味わいを実現する鍵です。常に同じ湯量・スピードで注げるよう意識してください。次のお湯を注ぐタイミングは、サーバーにコーヒーが落ちきる直前がベストです。
  4. 仕上げ:最後の一滴まで丁寧に
    最後の注湯は、余計な雑味(過抽出)を防ぐため、粉をあまり動かさず、ドリッパーの3つの穴をなぞるように優しく注ぎます。
    決めた湯量まで注いだら、ドリッパー内のお湯が全て落ちきるまで待ちましょう。毎回きちんと落としきることで、味の再現性がぐっと高まります。
    最後に、サーバーを10回ほど軽く回してコーヒーの濃度を均一にし、あらかじめ温めておいたカップに注いだら、こだわりの一杯の完成です。

実際の動き等ご覧になりたい方は動画をご確認ください。
https://ogawa-pro.jp/wp/ogawa-various/%e3%83%8f%e3%83%b3%e3%83%89%e3%83%89%e3%83%aa%e3%83%83%e3%83%97%e3%81%ae%e5%9f%ba%e6%9c%ac%e7%9a%84%e3%81%aa%e6%b7%b9%e3%82%8c%e6%96%b9-%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/

高品質なドリップコーヒーを安定して提供するためには、適切な器具選びが不可欠です。デザイン性だけでなく、機能性や耐久性も考慮して、長く使えるプロ仕様の器具を揃えましょう。

ドリッパー:コーヒーの味わいを決定づける重要な器具です。例えば、カリタ 102D ドリッパーは、3つ穴構造で安定した抽出ができ、多くのプロに長年愛用されている定番品です。

コーヒーサーバー:抽出したコーヒーを受けるサーバーは、ドリッパーとデザインを合わせると、カウンター上の見た目にも統一感が生まれます。カリタ 500cc サーバー Nは、先に紹介したドリッパーとの相性も抜群です。

ドリップスタンド:STC|Stand X-singleのようなドリッパースタンドを使用すると、高さを出して抽出の様子が確認しやすくなるだけでなく、カウンター上でのプロフェッショナルな演出にも繋がります。

ドリップポット(ケトル):お湯を細く、静かに、狙った場所に注ぐためには、注ぎ口が細いドリップポットが必須です。湯量のコントロールがしやすいものを選びましょう。バリスタの人数分揃えておくと、ピークタイムにも対応しやすくなります。

スケールとタイマー:「豆の量」と「抽出時間」を正確に管理するために、0.1g単位で計れるデジタルスケールとタイマーは必ず用意しましょう。これらを活用することが、味の再現性を高める最も確実な方法です。

その他: 抽出したコーヒーを受けるコーヒーサーバー、ペーパーフィルター、豆を新鮮な状態で保存するキャニスター(保存容器)なども、提供杯数や豆の使用量に合わせて適切なサイズのものを選びます。

STC|Stand X-singleの商品詳細・ご購入はこちら
世界チャンピオンの抽出理論に基づいたトルココーヒーの抽出器具。ステンレス鋼製でシンプルかつ頑丈、コンパクトで持ち運びしやすいスタンドです。一般的なドリッパーとの互換性もあり、プワオーバースタンドとしても使用可能です。

こだわりの器具で丁寧に淹れても、主役であるコーヒー豆の品質が伴わなければ、お客様を魅了する一杯にはなりません。お店のコンセプトや、届けたい体験に合わせて、最適なコーヒー豆を選び抜きましょう。

【焙煎度合いで選ぶ】
浅煎り:酸味が際立ち、フルーティーで華やかな香りが特徴。豆本来の個性を楽しむのに適しています。
中煎り:酸味、苦味、甘みのバランスが良く、標準的な焙煎度合い。マイルドで飲みやすく、どんな方にも好まれやすい味わいです。
深煎り:苦味とコクが強く、香ばしい香りが特徴。しっかりとした飲みごたえがあり、ミルクとの相性も良いです。

【産地(シングルオリジン)とブレンドの違い】
シングルオリジン:単一産地の豆のことで、その土地ならではの個性的な味わいを楽しめます。「エチオピア産の華やかな香り」「マンデリンの深いコク」など、ストーリーと共に提供することで付加価値が高まります。
ブレンド:複数の産地の豆を組み合わせることで、バランスの取れた、あるいは独創的な味わいを作り出したものです。お店独自の「オリジナルブレンド」として提供することで、他店との差別化を図れます。

【お店のコンセプトやメニューとのペアリング】
例えば、濃厚なチョコレートケーキとの相性を考えるなら、深煎りのコクがあるコーヒーを、朝のモーニングには、すっきりと目覚めるような中煎りのバランスが良いコーヒーを、といったように、他のメニューとの組み合わせを考慮して選ぶことも重要です。

ハンドドリップコーヒーの魅力は、その味わいだけでなく、バリスタが丁寧に淹れる所作や、洗練された器具が醸し出す雰囲気にもあります。お客様の満足度をさらに高めるために、お店のコンセプトに合ったこだわりの器具を選んでみてはいかがでしょうか。

例えば、多くのプロが信頼を寄せるカリタ 102D ドリッパーとカリタ 500cc サーバー Nの組み合わせは、安定した品質と機能美を両立します。さらに、STC|Stand X-singleを加えれば、お客様の目の前で繰り広げられる抽出シーンが、より一層特別な時間へと変わるでしょう。

こうした一つひとつの器具へのこだわりが、お客様にとって忘れられない体験となり、お店のファンを増やすことに繋がるのです。

カリタ 102D ドリッパーの商品詳細・ご購入はこちら

カリタのドリッパーは三つ穴、雑味がでる前に、美味しさだけをドリップするのが特徴です。

カリタ 500cc サーバー Nの商品詳細・ご購入はこちら

長年愛されてきたオーセンティックなフォルムが魅力。
全てのモデルがカリタのドリッパーに合わせて設計されています。

一杯のドリップコーヒーが、お客様にとって忘れられない体験となるように。小川珈琲は、豆の選定から淹れ方のトレーニングまで、全面的にサポートさせていただきます。こだわりの一杯で、お店のファンを増やしましょう。